郷土の鎮守様〜調布市西部の神社 平成21年1月
「道生神社」「上石原ノ若宮八幡神社」「近藤神社」 付記「三鷹大沢ノ古八幡神社」 おまけ「調布飛行場」
良い天気だと、どこかに出かけたくなる。せっかくなので、自転車にまたがって近所を2時間ほど散歩してみる。
「道生神社」 東京都調布市飛田給2−39−20
ミチオイ神社
祭神:宇気母智命(ウケモチノミコト)
飛田給の鎮守。
創建年代は不詳。古くは上石原八幡の分社ともいわれている。
道生社・飛田社・祇園社・八幡社の4社を祭る。
明治17年に飛田神社(もと稲荷神社)と道生神社(もと山王社)を合祀して、道生神社と改称。
旧社地が昭和18年に調布飛行場用地と指定されたため現在地に遷座。
社殿は大正4年の建立。
飛田給駅下車徒歩3分。社殿は東面している。児童公園が併設されており開放感にあふれるが社殿のある側には背の高い木々がこんもりとしていて、鎮守の杜の様相を維持していた。そんなに広い境内でもなく、社殿がぽつりと鎮座。駅近くではあれど住宅地のなかに鎮座しており、とても静かな環境であった。
「上石原ノ若宮八幡神社」 東京都調布市下石原3−5−1鎮座
祭神:仁徳天皇
上石原の鎮守。
創建年代は不詳。延宝4年(1676)以前には創建していたといわれる。
武蔵風土記に宿の鎮守にて鎮座の年暦を伝えずと記載される神社。。
本殿は文化4年造営(調布市重要建造物第一号)。拝殿は昭和38年に新築。
本殿は覆殿内に立ち、一間社流造り、総ケヤキ造り。江戸時代後期の神社建築の様相をよく残しているという。
境内末社に辰巳稲荷社。
新撰組局長近藤勇は、多摩郡上石原村で生まれており、村内の鎮守が当社若宮八幡神社であった。
慶応4年に甲陽鎮撫隊を率いて上石原に到着した近藤勇は、当神社の方向に拝礼して戦勝を祈願したと言われている。
西調布駅徒歩5分。境内地前の道は坂道となっており、そのまま坂を下っていくと多摩川に到達する鎮座地。社殿は西面している。
境内には幟が林立していて「新撰組局長 近藤勇 生誕の地 上石原」とあった。幟をみてはじめて思い出した。そういえば近藤勇は多摩郡の出身だったなあ、と。すっかり忘れていたがいまでいう調布市の出身。往事は多摩郡上石原村で生まれたという。上石原でも近藤の生家がある地と、神社の地は南北でだいぶ離れているが、それでも同じ村の中。村の総鎮守として当社は近藤勇ゆかりの神社となるわけであった。
境内は予想していたよりも広かった。坂道の途中にある階段から境内に足を踏み入れ、境内地のすがすがしさに心地よさを感じる。家族連れが参拝をしていて、ベンチでは親子で遊んでいる姿もあり、犬の散歩の休憩場ともなっていた。住宅地の中に鎮座している当社は、癒しの場として大いに活用されているようで、微笑ましかった。
「近藤神社」東京都調布市西町6鎮座
祭神:近藤勇
近藤勇は天保5年(1834)10月9日に武蔵国多摩郡上石原村の宮川家三男(幼名・宮川勝五郎)として生まれた。
15歳の時に天然理心流降雨道周助に入門。理心流目録を得て、近藤家の養子となった。
現在の屋敷跡は屋敷東南部に位置しており、昭和18年に調布飛行場拡張のために取りこわされるまで使用されていた井戸を「近藤勇産湯の井戸」名残として残している。
近藤神社は昭和初期に生家跡に建立。その後荒廃するも、昭和52年に生家跡が調布市史跡に指定されたのを受けて再整備したものである。
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近藤勇生家跡に立つ近藤神社
左奥の大きな木のあるところが「近藤神社」(調布市)。
右手前は「堅牢地神」(三鷹市)
このあたりは市境が入り組んでいるのだ。 |
調布飛行場の北側。都立野川公園の入り口に鎮座。「近藤家」をしのぶものとしては「近藤勇産湯の井戸」があるのみである。人見街道に面して鎮座している交通量も多い。飛び抜けて背の高い木が一本植えられており、その下に小さな祠が鎮座。近藤勇が調布の上石原出身という事もしらなかった私としては、予期もしなかった近藤神社があることがとても面白く興味深いものだった。
付記「大沢ノ古八幡神社」東京都三鷹市大沢
フルハチマン
祭神 応神天皇
大沢八幡神社の創建時の鎮座地という。由緒由来等は不明(調査中)。
野川の北側。国立天文台の南側に鎮座。野川の西側には調布飛行場が広がっている。ちょうど上石原ノ若宮八幡から近藤神社に赴く途中に鎮座していたので立ち寄ってみた。まだ三鷹市内の神社の状況は調べきっていなかったので、古八幡を訪れたのは今思えば片手落ち。そんなに遠くなかったのどうせなら「大沢ノ八幡神社」にも赴いていればよかったのに、と思う次第。
おまけ。「調布飛行場」
道生神社のもともとの鎮座地でもあり、そして近藤神社の近くにあるのが、調布飛行場。飛行場整備のために道生神社は現在地に遷座。近藤家は取り壊しとなっている。
現在、調布空港からは、大島・新島・神津島を結ぶ定期便が就航している。周辺には往事をしのぶ「掩体壕」が幾基か残されている。
管制塔 |
旅客ターミナル |
往事をしのぶ旧調布飛行場門柱跡 |
掩体壕 |
三式戦闘機飛燕 |
掩体壕 |
島嶼便の定期離陸 |
掩体壕 |
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