「海上八幡宮」(旧郷社・海上郡総鎮守・千葉県指定有形文化財)
<千葉県銚子市柴崎町鎮座>
祭神:
八幡大神・比売大神・神功皇后
由緒:
総社八幡宮・柴崎八幡宮とも称する。
海上郡60余郷の総鎮守・総社八幡として崇敬される。
大同2年(807年)8月1日に白鷺がしきりと鳴き、空中から八幡大菩薩の尊像を落としたことから、芝野の上に青竹5本を宮の形に結んで、尊像を祀ったことに始まるとも、宇佐八幡を勧請したとも伝わる古社。
治承4年(1180)に現在地に遷座。
もともとは堀内と称していた当地であったが、尊像を芝の上に祀ったことから芝崎と称するようになったという。
現在の本殿は天和3年(1683)の建立。江戸時代前期を象徴する三間社流造として、千葉県の有形文化財に指定されている。
文化財指定後に茅葺きを銅板葺きにふきかえ、解体調査が4年にわたっておこなわれ、本殿を建築当初の姿に戻すために拝殿と本殿を結ぶ幣殿を改築し、拝殿も前に移築するなど大がかりな修復が行われ平成15年に現在の姿となる。
海上八幡宮では、旧暦の8月15日(現在の9月24日前後)に祭礼があり、「お的式」と呼ばれる流鏑馬が奉納されている。
また、一の鳥居から続く桜並木は、例年人々の目を楽しませている。
明治6年10月に明治社格制度の郷社に列格。
<参考>
角川日本地名大辞典・千葉県
とっておき銚子散歩
境内案内板
海上八幡宮公式サイト
海上八幡宮はJR松岸駅より徒歩約15分。約1.5キロほどを西にあるくと境内がみえてくる。
一の鳥居から歩いてみれば、桜並木が佇まいを凛とさせ、立ち流鏑馬が行われるという参道の賑わいを目に浮かべながら、のんびりと散歩。
二の鳥居の向こうには、海上八幡宮を護ってきた社叢につつまれ、とても気持ちよい木漏れ日を楽しむことが出来る。
拝殿の向こうに目をやれば、江戸初期の流造を濃厚に表す本殿。
銚子の街で、こういった予想にも思わなかった古色然とした社殿に出会えるのがなにやら新鮮です。
修復工事がおこなわれ、より一層に八幡らしい力強さをみせてくれる当社は、海上郡の総鎮守。今も昔もかわらずに、郷土に親しまれてきた神社の風雅が漂っていました。
銚子の隣駅、松岸駅。銚子電鉄とは逆の方向にはなりますが、銚子の街を楽しむついでにお時間があるときにちょっと足を伸ばして見るのも良いかもしれません。
「銚港神社」
<旧郷社・千葉県銚子市馬場町鎮座>
祭神
闇淤加美神(くらおかみのかみ)
相殿神
級津彦神(しなつひこのかみ)
級津姫神(しなつひめのかみ)
明治2年までは龍蔵権現と呼称。利根川を眼下に見おろす高台に鎮座。
創建年代は応永2年(1395)とも、奈良時代ともいわれている。
銚子発祥の祖神。歴代の領主の祈願社として崇敬。銚子の産土様。
龍蔵権現と称していた頃の御神体は板東三十三箇所第二十七番霊場の円福寺本堂にあるという。
明治2年に現在の社名に変更。明治16年8月に郷社列格。昭和20年には県社昇格の内意をうけていたが、昭和20年7月の銚子空襲によって戦災消失。
現在の社殿は昭和33年に復興。社殿正面の書は当時の総理大臣吉田茂が揮毫。
円福寺(飯沼観音・坂東三十三箇所第27番札所)に隣接する神社