「キジの氷川様〜大谷場ノ氷川神社〜」<平成17年11月>
「大谷場ノ氷川神社」
<雉子の氷川様・キジの氷川様>
(埼玉県さいたま市南区南本町鎮座(南浦和))
御祭神:素戔嗚尊
合祀神:市杵嶋姫命・伊弉冉尊・大山祇命・誉田別尊・菅原道真公・倉稲魂命・国常立命
由緒:
創立年代は不詳。大谷場の鎮守社。大谷場の地はかつては一面の畑地が広がっており、この杜には古くからキジが住みついていたという。かつてはやしろに足を踏み入れればキジが飛び出してきたために氏子の間で「キジは氷川神のお使い」とされ「キジの氷川様」と称され崇敬されてきた。
当社は江戸初期に社殿焼失の古記録がある。
現在、覆殿の中にある本殿は寛文六年(1666)の造営とされる三間社流れ見世棚造。
当初は三間の神座に「男体」「女体」「簸王子」が祀られていたとされる。
明治六年に村社列格。明治41年に八幡・市杵島・天・白山・稲荷二社・御嶽の七社の無格社を合祀。
参道両脇には「キジ」が鎮座 |
秋色の境内 |
拝殿 |
本殿覆殿 |
左のキジ |
右のキジ |
JR武蔵野線・京浜東北線「南浦和駅」。交通の要衝でもある。
その南浦和から徒歩五分。いや、五分もかからないだろう。駅の南西方向に神社の岡をめざとく見つけることが出来るだろう。
格別の予備知識もなく、なんとなく地図をみて、ちょこっと立ち寄りたくなった。南浦和は乗り換えしか使ったことがなかった私、はじめて駅を出る。
そして神社の岡をのぼれば、いきなり本殿に出くわす。どうやら裏道だったたしい。
神社は南面しており、駅は神社の北東なのだから致し方がないといえばそれまでではあるが。
普通に参拝をすませて、境内の落ち葉と照らされる夕日に、一日の疲れを癒されていたら、ふと目線が止まる。
狛犬じゃないよ。
狛キジ、だ!
まさかこんな情景に出くわすとは思ってもおらず、かなり不意をつかれる。
浦和の神社のほほえましさが心憎かった。調神社のウサギといい、当社のキジといい、氏子さんの崇敬の念と、そんな「神さまのつかわしめ」たちのほほえましさが伝わってくる。
飽きもせずにキジと戯れる私がそこにいる。
かなり愉快。かなり爽快。
夕日と落ち葉と、そして照らされる狛キジ。
憎たらしいほどに、私の心をくすぐってくれる演出だった。
また、好きな神社が一社増えてしまった。こうして、なにげない郷土の神社の良さを味わい楽しむ瞬間が好きだ。
参考
神社由緒案内等
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