「郷土の鎮守様〜流山編〜」<平成17年12月>
「女躰神社」/「赤城神社」/「寺田稲荷神社」/「浅間神社」/「大杉神社」/「茂侶神社」/「大宮神社」
総武流山電鉄というミニ私鉄がある。常磐線馬橋駅から乗り換えると2両編成の電車がのんびりと走る。松戸と流山。都会からほど近いところを走る電車は、なんとなくローカル気分に浸りたい時にうってつけの路線。
せっかくだから、流山電鉄沿線の神社をさらりと詣でてみようかと思う。
総武流山電鉄 |
日暮里駅から約30分。
常磐線馬橋駅からミニ私鉄の旅がはじまる。
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そんなわけで流山電鉄を堪能しつつ、駅からほど近い神社をそれぞれ詣でてみようかと思う。
「女躰神社」
(千葉県松戸市横須賀鎮座)
御祭神:筑波女大神(=伊弉冉尊)
創立年代は不詳。横須賀部落の鎮守として崇敬。
合祀社は大杉神社・大山阿夫利神社・三峯神社・女化稲荷大明神・天満宮。
女躰神社 |
女躰神社 |
小金城趾駅から北西に約200メートルの地に鎮座。坂川という川に近い。社殿の北側を流山電鉄が走り、走行音がときどき聞こえてくる。
実は私は武蔵野線南流山駅から歩いてきた。約1キロ。私の家からは武蔵野線が便利だったから。なんとなく歩きたかったのだ。新松戸から幸谷駅乗り換えでもよかったのだが。
神社の西隣に公園が併設。しずかな鎮守様の姿であった。水場も近くて、歩いてきた身には心地よかった。
「赤城神社」
(旧郷社・千葉県流山市流山鎮座)
御祭神:赤城大明神・大己貴命
流山の地名発祥ともなった神社。洪水によって上州赤城山の土塊が流れ着いたとも、赤城神社の神札が流れ着いたとされる。現在鎮座している赤城神社はその名残。
元和6年(1620)再建。赤城山は標高15M。
正面の大しめ縄は市指定文化財。10月19・20日(現在は第三・土日)の祭礼に先立ち10月10日に作成される。長さ約約数10M、太さ約1.5M、重量約300KGという。
総武流山電鉄平和台駅から約500メートル西南の高台に鎮座。某酒造飮料メーカー工場の脇をぐるりとまわると光明院の隣に鎮座。遠目からでも赤城山はよくわかり、あそこに神社があるのかな、といやでも感じることが出来る好立地。参道には大しめ縄。のぼればそこは日の光がここちよい。社殿後方は樹木がおおい、手前は比較的に空が明るい。それでいて参道と斜面も樹木が豊富。このバランス環境がステキだった。
「寺田稲荷神社」
(千葉県流山市流山鎮座)
祭神:宇迦之御魂神
江戸時代創建の稲荷神社。明治8年(1875)の大火災がこの地で止められたともいう。明治10年に再建。
寺田稲荷 |
寺田稲荷 |
赤城神社の150メートル北側に鎮座。道路に面した立地。かなり窮屈。赤城神社から平和台駅に戻る途中に目についた。道路に面しており、まさに極狭い地域のホントに密着した鎮守様がそこにはあった。
「浅間神社」
(旧村社・千葉県流山市流山鎮座)
祭神:木花開耶姫命
正保元年(1644)創建の旧村社。市指定富士塚あり。
流山駅の西約200メートル。住宅地の中。それでも社地の後方は富士塚となっているのが、興味深い。社殿は西面。
さすがに浅間神社だった。
「大杉神社」
(千葉県流山市加鎮座)
御祭神:大物主命櫛甕玉命(おおものぬしのみことくしみかたまのみこと)
創建年代は不詳。由緒由来等も不明。
流山駅の北約400メートル。近隣には大杉神社が多い。江戸時代中期に下総地方で開運の信仰として大杉神社が各地域に祭られたといわれ、当社もそのうちの一社か。
ちょっとばかりわかりにくい場所に鎮座していて微妙に迷った。当社も普通に住宅地の中に鎮座。
「茂侶神社」(もろ神社)
(延喜式内社・旧村社・千葉県流山市三輪野山)
御祭神:大物主命
創建年代は不詳。平安期に編集された延喜式内社に列する。大和三輪山の大物主命を分霊する。
「モロ」とは御諸山(=三輪山)のことを示しているともされ、ミモロは御室=神のまします場とされる。また、ミモロを「ミモリ(御森)」ともし、「モリにまします神の杜」の意ともいう。
大和大神神社の大神氏(大三輪氏)が各地に分住し、当社もその折に分社されたものであろう。<式内社調査報告・第11巻 参考>
市指定文化財にヂンガラ餅行事がある。毎年1月8日(最寄りの日曜日)。
祭典、トウ渡し(年番の引継ぎ)、直会の後若衆が大きな供餅を引きちぎりあい、奪いあう「餅取り」を行う。行事はかつては近郷から若衆が集まり裸で餅を奪いあうもので、奇祭とよばれていた。その餅の割れ方でその年の作柄を占ったと言われている。
茂侶神社 |
茂侶神社 |
茂侶神社 |
茂侶神社 |
茂侶神社 |
茂侶神社 |
流山駅の北約1.5キロの地に鎮座。東武野田線初石駅からだと約2キロ南西の地。
今回の流山の神社めぐりのなかでも、メインとも言えるのが当社。当社に参拝するためにわざわざ流山駅から歩いてきたのだから。境内は、季節柄も良く紅葉に覆われる。社地は高台に位置しており、三輪の神らしさを感じさせてくれる環境。境内林も豊富で、その紅葉の見事さにしばし長居をさせられる。私はこういった身近な環境での紅葉の方が好きだ。派手すぎさがなくて。
参道は約100メートル。境内手前の道路は交通量が多くて、いささか賑賑しいが、境内に足を踏み入れば、そこは紅葉に覆われる静寂の地。有り難いばかりの景観であった。
「大宮神社」
(千葉県流山市平和台鎮座)
御祭神:天鈿女命(あめのうづめのみこと)
創建年代は鎌倉時代とされるが詳細不明。旧加村の氏神。
大宮神社 |
大宮神社 |
大宮神社 |
大宮神社 |
大宮神社 |
大宮神社下の公園 |
総武流山線の流山駅から約500メートル東の地、つくばエキスプレスの流山セントラルパーク駅から西に約500メートルの地に鎮座。
流山駅から歩いていけば、いかにもといった高台が目の前にあった。しかし山の登り口がわからずに半周ほどぐるりと山を回る。
実は流山駅で鉄道趣味仲間の友人と合流して、流山電鉄から、つくばエキスプレスまで乗り換える道すがらに立ち寄った神社。神社に興味のない人間ではあれど、この神社には満足して頂けた様子。私も訪れるまでどうのような神社か知らなかったのだが、見事な紅葉と神社景観の対比に私ですら胸をうたれ、感動する。静かな参道の脇には石に彫られた観音様が佇み、秋のやさしげな日差しが差し込む。境内には落ち葉が舞い、そして女神の社は神々しいまでに美しい景観を、かもし出してくれた。
改めて感じる。四季を感じつつ神社を詣でるの愉しさを。四季それぞれの彩りのありがたさを。
参考
各神社由緒案内等
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