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「上州の神社を東西に・2」
<平成17年4月参拝>


目次
その1「一之宮貫前神社」「山名八幡宮」
その2「上野総社神社」「高山神社
その3「世良田東照宮」「世良田ノ八坂神社」


上信電鉄の高崎駅から、新前橋駅まで移動する。総社に行くのであれば「群馬総社駅」が便利そうではあるが、実際の距離は新前橋駅のほうが近い。



「上野総社神社」(上野国総社・県社)
<群馬県前橋市元総社町鎮座・朱印

御祭神
磐筒男命・磐筒女命・経津主命・宇迦御魂命・須佐之男命

上野国内五百四十九社の神々

崇神天皇のころに、東国平定のために派遣された豊城入彦命が上野国にやってきた際に軍神たる経津主命を祀ったことにはじまるという。その後、経津主命の親神たる磐筒男命・磐筒女命を合祀。
安閑天皇のころに上毛野君小熊王が社殿を改築。蒼海明神と称された。

聖武天皇の天平年間(729−749)に上野国14郡の神社549社が勧請合祀され、「上野国神明帳」が奉納され当社が総社として機能、「総社明神」と称された。

永禄9年に武田北条の戦火に巻き込まれて社殿焼失。現在地に元亀年間(1571頃)に現在の本殿が建立されている。
本殿は、群馬県重要文化財。昭和61年に修復工事完了。
拝殿は天保3年(1832)に造営。
明治6年に県社列格。

上野総社神社
正面参道
上野総社神社
境内風景
上野総社神社
拝殿
上野総社神社

拝殿
上野総社神社
拝殿にも彫刻多数
上野総社神社
境内裏地。摂末社と神木
上野総社神社
本殿
上野総社神社
本殿

新前橋駅から1.2キロほどを北西の方角に歩く。道的にはほぼ一直線。良く整備された川に沿った地に鎮座。訪れてみれば予想以上に彫刻が賑やかであり、しばし見とれる。どうも今日は彫刻を見る日、でもあるようだ。

社地は広く、長い。そして日曜日であれど、静かな境内は憩いの場であり休息の場であった。
心をなごませ、心を落ち着け、上野国内の神々に接する。
・・・拝するときに「武蔵国の人間ですが」と蛇足ながら「かみながらに祓いたまえ」と念じているが。

朱印を頂いたら、そろそろ次を目指したい。
世良田の土地は遠いのだ。


本来ならこのあとに世良田東照宮に赴いて、そして太田駅。時間があったので太田の高山神社に赴いたのだが、掲載スペースの都合によって、いきなりここの高山神社を挿入。
時系列を重んじる紀行文式としては、不本意であるが、利便の問題なのだ。



「高山神社」(県社)
<群馬県太田市本町鎮座>

祭神:高山彦九郎正之命


祭神は「寛政の三奇人」のひとりである高山彦九郎。高山彦九郎は尊王経世家として世を騷がし、三条大橋で御所を拝している姿や久留米での憤死が有名ではあるが、全国を遊説し明治維新の礎となった人物。ちなみに大政奉還成立は彦九郎憤死後の74年後であった。(高山彦九郎に関しては、吉村昭『彦九郎山河』を参照)

明治6年(1873)に祭神の生誕地の太田市細谷に小祠が設けられ、地元有志は神社創建を政府に願い出たことにはじまる。明治11年に内務卿に認可され、翌12年に天神山中腹に社殿造営。
明治13年に県社列格。昭和7年に現在地に遷座。

高山神社
入口
高山神社
参道
高山神社
拝殿
高山神社
拝殿以外に「高山神社」という文字列すら境内では見かけなかった
高山神社
社殿
高山神社
社殿

東武伊勢崎線太田駅。駅から北西に800メートル。小高い丘の上に鎮座。
ただ迷った。神社のあるべき場所はすぐにわかった。しかしどこにも「高山神社」と記載された案内がなく、私はここが「高山神社」であるのかどうかが迷った原因。
普通なら「社号標」のひとつでもあるはずなのに山の下には何もない。ただ鳥居があって、延々とのびる石段。石段の上まで到達すれば太田を一望する地に「良くも悪くも近代神社」の気を漂わせる社殿がドンと鎮座し、そして他には何もない。
開けすぎた空間は、夕方の4時30分。空虚な風が吹いていて、それでいて夕日が照る薄曇り。もちろんこんな場所にいるのは私一人。ただものがなしさに溢れていた。

なんともなく「奇人」たる「特異希な人物」をまつる神社は、俗とは無縁の神社のようでもあった。
ちなみに寛政の三奇人とは高山彦九郎と林子平と蒲生君平のことをいう。なぜだか私は過去には「蒲生君平の蒲生神社」にも訪れていた。不思議な縁ともいうのかもしれない。

いずれにせよ空虚すぎた。土地は開放過ぎるが、気配は圧迫的。長居すれば、寂しくなり、空しくなる。なにやら最後にどっと疲れて私は山を降りる。


参考文献
境内案内看板・由緒書
角川日本地名大辞典・群馬県
神社辞典 東京堂出版




3.世良田へ


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