国東路の古社めぐり 平成20年8月
「その1 国東のちいさな鎮守様」
桜本宮社 / 歳大明神宮 / 山神社
「その2 宇佐神宮」
平成20年8月のお盆休み。
私と嫁と、そして私たちの友人の3人で国東半島に赴いていた。
国東半島最大の両子山から東に赴いた山頂近くの集落。そこに嫁の母方のご実家と墓所があり、せっかくの機会ゆえに赴いてみたというわけ。
今年でなくなるという山陽新幹線0形にのって、九州小倉に上陸。先行していた友人と私の嫁と合流して一路国東に向かう。
国東半島は神仏習合の代表みたいなおもしろい地域。
聞くところによると、石像仁王像の8割方が国東半島にあつまっているともいわれている興味深い土地でもある。
もっとも、神社に赴くのがメインではなかったので、時間をみつけて通りかかったところを参拝してみたわけだが。
「桜本宮社」(桜本宮八幡・桜本宮神社) 大分県国東市国東町川原鎮座
創建由緒等は不明。
国東市鶴川鎮座の旧県社「桜八幡」の関連列社と思われる。江戸期の当社宮司家は桜八幡及び桜本宮を兼務していたといわれており、その一族は宇佐に関連の深い和気氏の出自とされている。
社殿は八幡造り。境内は神門も備えている。
大鳥居。
国東町横川集落・両子寺方面へと向かう県道29号線と交差。 |
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真夏8月の午前7時過ぎ。まだあつくなる前のすがすがしい朝の日差しのもとで参拝。
たまたま車で通りかかった際に、神社が目につき立ち寄ってみた。
大鳥居からまっすぐに社殿にのびる道は約200メートル。鬱蒼とした樹木に覆われる石段に古くからの信仰を感じさせる。
比較的急な石段から上を見上げれば神門がみれる。
なにげなくよった神社ゆえに、神門が併設されていた事が驚き。神門は石垣できっちりと支えられていた。
石段参道の脇には石像仁王像。噂に聞く国東の仁王像にさっそくお目見え。神社にある仁王像というものに神仏習合の象徴を感じ取れる。
上まで登り切れば意外と広い境内。
本殿は八幡造り。本殿の左右両脇には小さな石祠が鎮座しており、八幡形態を容易に連想する事が可能。本殿後方にはご神木もあった。
名も知れない神社に何気なく訪れただけだったが、気持ちの良い日差しとあいまって朝から心地の良い気分にさせてくれた好感触な神社でした。
「歳大明神宮」 国東市安岐町中分鎮座
由緒等は不明。
推測するに農業神である大歳神を祀るものと思われる。安岐町を含め近隣には大歳神社・歳神社が点在している。
両子山山頂付近を水源とする両子川が神社社頭を流れており社殿は西面している。
大分空港・大分市方面に遊びに行った帰り道。やっぱり通りすがりに神社があって立ち寄ってみた。
夏の日の夕方18時。あたりはちょっとずつ暗くなってくる頃合い。写真を撮るのには少々厳しい状況でした。
社殿前、通常『狛犬』があるであろう場所には「阿吽の仁王像」。全国でも国東地域だけであろうと思われるような光景。
国東の神仏習合があらわれた気配が違和感を醸し出しつつも、楽しくなってくる。
神社自体は由緒もなんにもわからず、鳥居扁額上には『歳大明神 両所大権現 宮』とのみ記載されていた。
国東の町から横手川にそってさかのぼると「行入ダム」(ぎょうにゅうダム)という平成9年に完成した治水ダムがある。
ダム周辺には「千の岩」「万の岩」と呼称される霊峰もあり、「千の岩」ではいまでも霊蹟としてほこらが残っている。
また昭憲皇太后(明治天皇皇后)が腰掛けとも伝承されている「皇后岩」とよばれる岩がある。ダム施設周辺は観光施設としてパークゴルフの整備も行われている。
行入ダム |
左:行入富士 / 右:千の岩 |
「皇后岩」と伝わっている岩 |
行入集落(集落の一部はダムに沈んでしまいました)中央が横手川 |
行入ダム(ぎょうにゅうダム) くにさきパークゴルフ協会サイト http://www1.bbiq.jp/park/gyonyu/gyonyudamu.htm 参考
「山神社」(国東横手ノ山神社) 大分県国東市国東町横手鎮座。
由緒由来は不明。国東半島両子山近くの山間に鎮座。南面する社地の後方には大嶽山が控え、社前は横手川が流れている立地環境。
横手の稲川集落と落合集落の中間地点に鎮座しており、おそらくは集落境界の意を持っているのであろう。
朝8時。国東を離れる前に朝の散歩といった感じで、集落の南にある神社まで足を運んでみる。
ちょうど南側の落合集落と北側の稲川集落の中間地点に鎮座しているような神社は、山を背おったように鎮座している。県道29号線の新道が出来た事によって、社頭前の旧道は神社に赴くためだけにあるような道と化していた。石段中段に鳥居と灯籠。灯籠は日露戦記念に奉納されたものだった。
ふだんは誰も立ち寄る事のないであろう神社であれど良く整備されていた。これは地元の方々の信仰がとても篤い事を伺う事ができた。
朝の神社散歩をおえて戻る途中。ちょうどバスが走ってきた。国東バスターミナルから横手経由で稲川まで走るバス。
このバスは国東発08時05分、稲川着08時35分。折り返しは稲川発08時36分。このあたりの集落を走るバスはこの一本だけだったりする。
大分交通 バス時刻表 PDF
国東〜稲川 http://www.oitakotsu.co.jp/timetable/rosen/pdf/3861.pdf
稲川〜国東 http://www.oitakotsu.co.jp/timetable/rosen/pdf/5881.pdf
このバスが走ってきた神社前の道をクロスするように横手川が流れている。この川にはホタルが生息しており、シーズンになるとあたり一面でホタルの淡い光を楽しむ事が出来る。
ちょうど、私たちが訪れたときもそんなホタルの光に出会えた。私にとってははじめて生でみたホタルの光という事もあり感動もひとしおであった。
バスは1日1本だけ |
両子山、右は稲川集落 |
ちなみに国東にある稲川集落が、私の嫁さんの母親の実家。今は無人の家ではあれ集落に代々の墓もある。
今回は国東の山中に足を運んでなかなか都会では味わう事のない、ちょっとした田舎ライフを堪能しつつ山野に親しんできたという次第でした。
おまけ。
国東半島には「大分空港」があります。
海を埋め立てて作られた空港は、すがすがしいばかりに開放感があり、ぼーっと眺めているだけでも楽しいものです。
国東の大分空港と、大分市との間は「ホーバークラフト」が定期運行されていて、こちらも一興の価値ありです。
*大分空港のホバークラフトは2009年10月にて運航終了している。
詳細は「wikipedia」にて。
「大分空港」 http://www.oita-airport.jp/
私にとっては、このときのホバークラフト乗船が最初で最後の体験となり、これは良い思い出でもある。
その2「宇佐神宮」へ
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