「秩父の古社巡り・その1」
<平成16年10月>
その1「三峯神社」
その2「今宮神社」「秩父神社」
その3「吉田ノ椋神社」「野巻ノ椋神社」「皆野ノ椋神社」
そろそろ紅葉シーズンらしい。ただ、気がせっていた私は、ずーっとお預け状態でウズウズしていた。
「三峯神社」
いままで、社殿修復工事中、という旨を聞いており、行きたくてもそうとわかっていては行けない状態だった。それが10月中旬に無事に完了したとのこと。そうと聞くと今度はすぐさまに行きたくなる。
早朝。武蔵野線新秋津から西武線秋津乗り換え。所沢で西武特急「ちちぶ3号」に乗り込み、8時12分に西武秩父駅到着。秩父鉄道御花畑駅まで乗り換えて、三峰口駅到着8時43分。そこから8時50分のバスに乗れば9時8分に「三峰山ロープウェイ」最寄りの「大輪」停留所。
9時15分の「三峰山ロープウェイ」に乗り込んで、9時25分に山頂駅。歩むこと、約10分で「三峯神社」に到達。
家を出てから3時間30分の道のりだった。
「三峯神社」<県社・別表神社>
(埼玉県秩父郡大滝村三峯鎮座・朱印)
祭神:伊邪那岐神・伊邪那美神
配祀:造化三神・天照大神
荒川源流地の近く。秩父山地に囲まれた海抜約1000Mの地に鎮座する典型的な山岳登拝型神社。
第12代景行天皇の皇子、日本武尊が東征帰路に伊邪那岐神・美神両神の神威によって東国平定を祈られ仮宮を営まれたのをはじめとする。雁坂峠に向かう途中で日本武尊は道に迷われてしまった。どこからともなく狼が現れて日本武尊を案内したところが現在の鎮座地付近であった。まさしく伊邪那岐神・美神両神の助けによるものとして崇敬。
のちに景行天皇が上総国巡幸に際して、当社地を囲む白岩・妙法・雲取岳を賞して「三峯」の称号を賜ったという。
当山で修験の祖である役の小角が修行したともいわれ、そのころから修験道が盛んになる。
天平17年(745)には月桂僧都が山主となり、のちに勅命によって弘法大師が本堂建立。神仏習合の社として明治維新までは仏教色が濃厚であった。
中世以来、日光修験系道場となり、畠山重忠をはじめとする関東武士の崇敬をあつめてきた。鎌倉室町期に足利討伐の兵を挙げた新田義興・義宗が闘い敗れて当山に身を潜めたことから、足利氏の怒りに触れて社領を失い衰退。
文亀二年(1502)に修験者月観道満が社殿を再興。
天文2年(1533)に山主が聖護院宮に伺候し後奈良天皇より「大権現」の称号を賜り、聖護院派天台修験の関東総本山「観音院高雲寺」と称された。
のちに観音院山主が京都花山院宮家の養子となり、山主に幕府より10万石の格式があたえられた。
古来、山中に棲息していた狼を当社の御眷属神「大口真神」として崇敬。
明治維新後に神仏分離し、三峯神社として県社列格。戦後は神社本庁別表神社。
秩父鉄道三峰口駅 |
秩父鉄道三峰口ホームにて |
大輪停留所付近。ロープウェイ乗り場入口へ |
三峰山ロープウェイ |
三峯神社拝殿 |
拝殿 |
拝殿 |
拝殿 |
本殿 |
境内風景 |
八棟灯籠 |
本殿:寛文元年(1661)建立
県文化財。一間社春日造
平成16年10月修復
拝殿:寛政12年(1800)建立
平成16年10月修復
八棟灯籠:安政4年(1857)建立
平成16年10月修復
随身門:元禄4年(1691)建立
寛政4年(1792)再建
平成16年10月修復 |
随身門 |
随身門 |
随身門 |
三峯神社奥宮遙拜所
この先の峰である妙法ヶ岳山頂に奥社がある。 |
小教院(元の本堂)。元文4年(1739)。現在は喫茶場。 |
御仮屋・三峯神社の御眷属神である大口真神(狼)を祀る宮。 |
三峰付近の荒川渓流 |
三峰付近の荒川渓流 |
道すがらの紅葉は、まだ早かったかなという感じ。もっとも紅葉のために三峯神社にきたわけではないので、そこは「偶然」を期待していただけ。
紅葉的な気分をあじわいつつも、とにかく三峯への道を歩む。
ロープウェイ乗り場からの道。若干の赤や黄色の彩りに満足しつつ、斎館を通り抜ければそこに社殿が鎮座していた。
東照宮的、と呼びたい社殿。修復工事が完了した社殿は、その豪華絢爛たる姿を、秋の優しさに溢れる木漏れ日の中で、輝かせていた。私の性分ではあまりに「キラキラ」しているのものは好みではないのだが、そんな性分を飛び越してこの三峯神社の気配は見飽きることなく私を魅了してくれる。
時間的な計算はしていない。充分に満喫して、満足して、ぼーっとして、佇む。ロープウェイで再び山下におりて、三峰口のバスをまつ。接続待ち時間が30分ほどあるので、道途中の荒川に降り立ち、川を眺める。
荒川をながめて、とりあえず「三峰口」駅まで戻って、12時20分に秩父鉄道にて秩父市内に向かう。途中でSL列車とすれ違い、そして神々しく悠然たる姿をたたえ、そして痛々しい武甲山を車窓からながめて12時40分に「御花畑駅」到着。
ここから歩けば「今宮神社」、そして「秩父神社」。次いでの神社は次ページにて。
参考
三峯神社由緒書き及び境内案内看板
神社辞典・東京堂出版
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