「かみちゅ!」探訪参詣記〜尾道の神社紀行〜<平成18年1月>
その1・尾道の海 「はじめに」「尾道へ」「海岸から商店街へ」「住吉神社」
その2・艮神社 「吉備津彦神社」「艮神社」
その3・御袖天満宮
その4・千光寺山
その5・尾道古社散歩
その6・小学校と尾道海峡
その7・渡船と尾道向島
その8・向島「男たちの大和」ロケセットと向島の神社
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「はじめに」
唐突ではある。
まずは純粋な神社紀行を楽しむ人のために説明をする。
そう。
「かみちゅ!」とはなんぞや?である。
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舞台は1980年代。
どこか懐かしい、ゆるやかな時間が流れる瀬戸内の町。
主人公は、ちょっとドジだけど普通の中学生、一橋ゆりえ。
そんな彼女が、ある日突然呟く。
「私、かみさまになっちゃった」
この時から、彼女の一風変わった世界がはじまる。
特別な力を手に入れた彼女、神さまであっても中学生。神さまで中学生。
神さまであっても、ひたむきに頑張る普通の中学生。
友人たちと繰り広げる、神さまらしくて神さまらしくない、ほほえましい日常。
勉強に、人助けに、そして恋に。
なつかしくて、楽しくて、甘酸っぱい青春の物語。
そんな一生懸命なあたたかさに包まれる「かみさまコメディアニメ」
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![かみちゅ!](pic/onomiti1/kami-usitora1.jpg)
かみちゅ! |
原作:ベサメムーチョ(=監督:舛成孝二・脚本:倉田英之・PD:落越友則)
「かみちゅ!」 テレビ朝日系にて2005年夏にテレビ放送 DVDシリーズ全8巻
ベサメムーチョ/アニプレックス・「かみちゅ!」公式サイト
平成17年度(第9回)文化庁メディア芸術祭優秀賞・受賞作品
「尾道へ」
尾道に行きたがっていた。
テレビアニメ「かみちゅ!」はその作品の舞台を尾道としていた。作品中に描かれる街並みを見た瞬間に私は「尾道に行くこと」を予感した。完全に、映像に化かされた私は、行きたい行きたいと呟きつつ、ようやくに念願を叶える。
もちろん尾道といえばで有名なのが「尾道映画」
大林宣彦監督の映画を「尾道三部作」「新尾道三部作」と呼んでいる。
尾道三部作
「転校生」
「時をかける少女」
「さびしんぼう」
新尾道三部作
「ふたり」
「あした」
「あの、夏の日」
ただ私は一切「尾道映画」をみていなかったりもする。それでも、なぜか懐かしさをかんじるのが尾道の魅力。この街は、街自体が映画的な街であるから。
眠いような眠くないような興奮気味の体で羽田空港を06時55分に飛び立つ。
正直言って飛行機はあまり好きな乗物ではない。絶対に、いつの日か「落ちる」と思っている人間だから。それでもなんとなく使ってしまう。とくに私のような人間は本来は新幹線の方が良いに決まっている。移動中にノートパソコンを叩いたり、なにやらカメラ機材を大量に抱えていたり、一脚のような凶器まがいのような持ち歩いている人間は。もっとも一脚を機内に持ち込む勇気もないので預けるわけで、まあ荷物ばかり激しく重いのだ。
ちなみに今回の装備。
デジタル一眼レフカメラ・PENTAX *istD 二台
交換レンズ*3本
外部ストロボ
ノートパソコン・東芝リブレットL5+ACアダプタ
カメラ用交換電池(単三型リチウムイオン電池)*20本
「かみちゅ!」対策用ファイル(作中の尾道風景をキャプチャリングしたファイル)
「尾道」対策用地図
その他、小物多数、着替え等。
これだけ抱えているのだから重いわけである。
羽田空港を飛び立った飛行機は08時20分に定刻通りに広島空港に到着。いつも飛行機では寝ているのでドリンクサービスとは無縁。第一、飛行機内で、紙コップで渡されるドリンクを有り難く飲むというのが貧乏くさくてショウにあわない。あんなサービスはなくてもかまわないと思っている人間だから。添乗員さんも美しい人は多いけれども「可愛い」とはいえないわけで、起きていても意味がない。第一、飛行機に乗る時はいつも眠い時なのだ。
広島空港に08時20分についたけれども、尾道に行くにはバスの接続が悪い。バスで尾道に直行する便はなく乗り換えが必須。どこで乗り換えるかを考えるのも面倒なので、とりあえずバスで三原駅まで行くことにする。
午前09時00分に三原行きのバスに乗る。
三原駅に到着したのが9時35分。JRに乗り換えて、10時前には尾道駅に到着。
接続時間等も考えると、羽田から3時間で尾道に到着したことにはなる。新幹線だと約4時間だから、確かに早いものであった。
![尾道](pic/onomiti1/onomiti-1.jpg)
羽田空港・JAL1601便 広島行き |
![尾道](pic/onomiti1/onomiti-3.jpg)
尾道駅はシンプルな駅舎。そして山の上に今日の宿泊ホテルもある |
![尾道](pic/onomiti1/onomiti-4.jpg)
港町らしさあふれてます。 |
![尾道](pic/onomiti1/onomiti-2.jpg)
念願の尾道。澄み渡った空に感謝して「町歩き」がはじまる。 |
さて。尾道に到着。念願の大地に足を踏み出す。駅を出れば、潮の香りが鼻をくすぐる。
そう、港町であった。
この海の近さと対称的な山のせまり具合。平坦部と丘陵部のバランス感覚。すべてが尾道を象徴していた。
コインロッカーに荷物を預けて、まずは歩き出す。
さっそく福本渡船が気になるが、向島にわたるのは明日の予定。今日はとにかく町を歩く。そう決めたから。
「海岸から商店街へ」
まずは線路に沿って歩く。目の前の「うずしお橋」へ。ここから尾道駅をみれば、さっそく見たことがあるシーン。もっともなんか先客が居たので、(こんなところにいる先客は同好ネタ者に間違いない)、長居せずにとっとと海際に行くことにする。この橋で電車が来るのを待つのもなんか面倒だったので。尾道の町を歩き始めたばかりで、いきなり停滞はしたくなかったのだ。
堤防になぜかベンチが二つ並んでます。なんでしょうか。このあからさまなベンチは。ここにすわって休めと言うことでしょうか?
でもベンチには海鳥たちの糞が散乱していて、座れません。
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-op1.jpg)
こちらは単線。103系。 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-op1-1.jpg)
山陽本線なので複線です。
電車が来るのを待っている気にはなりませんでした。 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-1.jpg)
かみちゅ娘たちの休息 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-1-1.jpg)
映画「あの、夏の日」ロケ場所でもあります。10時15分撮影 |
みてのとおり、昼間に写真を撮り、
そして夕方にまた写真を撮りに来てます。
さすがに夕日のオレンジは表現するのが難しいけど。 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-yuuhi.jpg)
16時40分撮影。夕日は難しい。 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-2.jpg)
おなじくかみちゅ娘たち。
たそがれますね。 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-2-2.jpg)
潮風が気持ちいいです。 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-3-3.jpg)
そう。映画「あの夏の日」。呪文を唱えて僕らも飛べる? |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-3.jpg)
向島。右側が旧日立造船所。 |
海岸沿いをあるけば、潮風が心地よく、太陽の光が眩しい。穏やかな空気に、神々しいまでの暖かさに包まれる。
カメラをぶらさげて海を眺めていたら、地元のおじさんが声をかけてくる。
「このあたりの海岸は瀬戸内で二番目に奇麗なところだぞ」
えっ?
「二番目ですか・・・」
おもわず聞き返すと、おじさん的には「うーん、一番は明石で、二番目が尾道だ!」
とのこと。あえて、尾道を二番目にするところが尾道人らしくてステキだった。
おじさんは、海岸の向こうの「向島ドック=日立造船所跡=男たちの大和撮影場公開場」を指さし、あそこが止まってから尾道の景気は辛いねえ。仕事がなくて・・・となぜか急に重い話を私とする。
尾道の経済はなかなか大変なようだ。さすがに観光としてだけではやっていくのが大変だろう。今の尾道は「向島の大和」の観光客に支えられているのかもしれない。ちなみにこれは今年の三月までの公開。のちのち触れることにはなる。
映画ファンの尾道詣でぐらいでは観光都市にはなれないだろう。
古い街、観光にはよいが、すむのは大変な街なんだろうなあ、と実感する。
海岸から商店街にはいる。
とくに考えなしに歩いていたら、おばQですか。どこか懐かしい遊具がある。この何気ない気配が「尾道らしさ」なのかもしれない。
かみちゅ!第二話 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-4-1.jpg)
実際の尾道にも小さな祠が多し |
右:
ちなみに「鎌倉稲荷神社」。
尾道映画「あした」ではいきなり水をかけられた・・・らしい |
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![尾道](pic/onomiti1/kamityu-5.jpg)
かみちゅ!第二話より |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-5-1.jpg)
実際に坂と狭い路地が象徴的なのだ |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-6.jpg)
かみちゅ!第二話より |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-6-1.jpg)
商店街と交差点。人の流れと車の流れと船への道が入り交じる交差点。 |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-7.jpg)
かみちゅ!第三話より |
![尾道](pic/onomiti1/kamityu-7-1.jpg)
一〇円で動く遊具らしい。さすがに動かしてみる勇気はなかったが。 |
さて、この紀行は「神社紀行」のはずであった。
しかしながら神社がなかなか出てこない。
この商店街のほど近くに「住吉神社」が鎮座しているので、まずは参拝。紀行文としても神社に立ち寄らなくては名折れになってしまうから。
この紀行文は「かみちゅ!」と「神さま」「神社」の融合の象徴でもあるのだから。それゆえのかみちゅ!神社紀行。
一般の尾道観光客とはひと味違う、クセのある観光を私はしているのだ。
それでも尾道。どこか懐かしい尾道。
「住吉神社」
(広島県尾道市東土堂町鎮座)
祭神
住吉三神(底筒之男命・中筒之男命・上筒之男命)
海運業で発達してきた尾道を護ってきた神社。
もともと当社は、尾道の浄土寺境内にあったが1741年に現在地へ遷座したという。
映画「東京物語」(小津安二郎監督)では当社の石燈籠が映しだされ、、また向かいの尾道ロイヤルホテルには映画「時をかける少女」(大林宣彦監督)の原田知世が宿泊したという。
当社の花火まつり「おのみち住吉花火まつり」は、夏の尾道を彩る風物詩であり、県内有数の花火を誇る。
![尾道](pic/onomiti1/sumiyosi1.jpg)
尾道ノ住吉神社 |
![尾道](pic/onomiti1/sumiyosi2.jpg)
尾道ノ住吉神社 |
![尾道](pic/onomiti1/sumiyosi3.jpg) |
尾道ノ住吉神社
社頭前には車が止まっていたので正面写真が撮れず
ちかくはちょうど工事中でもあり、柵が微妙に邪魔もする |
住吉神社。海の守り神。瀬戸内航路が賑わっていたころから、尾道と歩んできたであろう海際の神社。
海の気配をたっぷりに満喫しながら、神社に拝するというありがたさ。このすがすがしさが心地よかった。
さて、一度戻る。商店街から、線路を渡って、石段をのぼって山側に行こうかと思う。いったりきたりも尾道の醍醐味だから。
参考
各神社・由緒案内等
作中のキャプチャー写真は、尾道の気配を楽しんでいただくために使用致しました。
問題がありましたら、対応しますのでメールにてお問い合せ下さい。
なお版権を侵害する悪意ある意図では使用はしておりません。ご理解下さい。
ベサメムーチョ/アニプレックス・「かみちゅ!」
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