「かみちゅ!」探訪参詣記〜尾道の神社紀行〜<平成18年1月>
その1・尾道の海 「はじめに」「尾道へ」「海岸から商店街へ」「住吉神社」
その2・艮神社 「吉備津彦神社」「艮神社」
その3・御袖天満宮
その4・千光寺山
その5・尾道古社散歩
その6・小学校と尾道海峡
その7・渡船と尾道向島
その8・向島「男たちの大和」ロケセットと向島の神社
一度、商店街に戻る。
尾道は海と山の象徴でもある。ちょっと山側をみれば、そこはウンザリとするような密度があり、それだからこその尾道であった。
これから先は、しばらく石段を楽しむことになりそうだ。
踏切。家々が連なる・・・。一番上の建物が本日の宿だったりする。 |
石段の交差点だったりもする |
光明寺下の歩道橋。映画「転校生」。さすがに自転車は・・・無理? |
歩道橋を上から。 |
石段と線路と踏切と。 |
こういう踏切が多いのが尾道らしさか。 |
商店街から、北側にJRの線路が横たわる。そこから斜面がはじまるので、必然的に線路と石段と坂道とが、いりまじる。そこに「尾道」らしさが漂っている。
「吉備津彦神社」(一宮神社) (いっきゅう神社)
広島県尾道市東土堂町鎮座
祭神:大吉備津彦命
創立年代不詳。南北朝頃に宝土寺住職とともに、栗原八幡宮の平田小太郎が祭祀を奉仕したことが伝わっている。
鎮座地は宝土寺の境内。
特殊神事にベッチャー祭が伝わる。(毎年11月3日・尾道市無形文化財)
神輿と獅子頭を先頭にベタ・ソバ・ショーキーの3鬼神が市内を練り歩き、子どもたちを追い回す神事。「ベタ」「ソバ」が持っている「祝棒」で突かれると子宝に恵まれ、「ショーキー」が持っている「ささら」で叩かれると頭が良くなるとされ、子供達は「ベッチャー、ベッチャー」とはやし立てる。江戸時代に流行した疫病退散祈願から始まった西日本有数の奇祭。
吉備津彦神社 |
吉備津彦神社 |
吉備津神社。実際には宝土寺の境内。千光寺にいたる「古寺めぐりコース」の小道に面している。静かな小道を、時折すれちがう地元の人と観光客。そんななかでも、一眼カメラを二台もぶらさげている私は異色ではあるが、もっとも観光客らしくもある。
神社を撮影していれば、いかにもなカップルが「やっぱり写真撮るなら、ああゆうカメラじゃないと」とか言っている声も聞こえてくる。
そのまま小道をあるけばいいのだが、私はピンポイントで目的地に行こうとしていたから艮神社への最短コースをとる。おかげで、志賀直哉旧宅に行き損ねるというヘマをしでかすのではあるが。
尾道に来て「林芙美子」とか「志賀直哉」とか、いわゆる文学的なことを体感せず、かといって「尾道映画」はしらない自分ではあったが、それでも街を歩いて「十二分に満足」できるのだから、尾道とは恐ろしい空間でもある。完全に私は魅了されていた。
11時10分。艮神社に到着。尾道駅を10時にスタートして、いろいろまわって一時間。すばらしき時間の密度でもあった。
「艮神社」 (うしとら神社・旧村社・朱印)
広島県尾道市長江鎮座
祭神:伊邪那岐神・天照大御神・素戔男命・吉備津彦命
大同元年(806)の創建とされる古社。千光寺と創建年代を同じくする。
おそらくは、神奈備山としての千光寺山(及び千光寺の巨石群)を拝する神社であろう。社殿は山を背にして東面している。
境内には楠の巨木群があり、県の天然記念物に指定。樹齢は約800〜1000年。
旧尾道町西半分の産土神。現在の氏子地域は東久保・西土堂・大宝山山麓・長江北地域。明治社格では村社。
艮とは「丑虎」。東北の鬼門を示している。では当社は、何に対する東北の鬼門守護であろうか。
地図を見れば、そこには「大三島」。スケールの大きな神社なのかも知れない。
境内の真上をロープウェイが走るという、全国でも珍しい立地条件となっている。
また、大林宣彦監督の尾道映画「時をかける少女」「ふたり」等の撮影地にもなっている。
アニメ「かみちゅ!」の社殿モデル。
艮神社入口。右側はロープウェイ乗り場 |
艮神社神門 |
なんと!
神門の上にネットが張られ、ロープウェイが空中を走る。 |
境内展望。ロープウェイを神社という異色感 |
境内。山を背にする静かな神社。気に入りました |
玄武でしょうか?神亀でしょうか?いずれにしても珍しい手水。 |
テレビアニメ「かみちゅ!」来福神社社殿 |
艮神社社殿 |
テレビアニメ「かみちゅ!」来福神社社殿 |
艮神社社殿 |
テレビアニメ「かみちゅ!」では境内に巨石もあり |
艮神社 |
艮神社にも巨石あり。境内、及び千光寺山は巨石群でもあるのだ |
艮神社境内 |
艮神社本殿 |
ロープウェイから千光寺山をみる。下が艮神社 |
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左
艮神社の御朱印
社務所で巫女さんに頂いたのだ |
艮神社。このありえなさ感。神域である神社の上をロープウェイが走るという、この展開。
ある意味で、これもまた「尾道の景観」であった。
境内は広い。後方には神奈備型の千光寺山をひかえ、巨石も多い。丑虎を守護する神社は、山を背にして東面しており、そこから山にのぼるロープウェイが伸びていくのも、ある意味で納得。
のんびりとした境内。気が付けば、私は45分ほども神社の境内に滞在していた。
飽きの来ない神社。
神木の気配と、巨石の佇まい。社殿の落ち着きと、正月過ぎの和やかさ。そして一人で立ち回る巫女さんになごみつつ長居をしてしまった。
そんな巫女さんから朱印を頂戴する。
さすがに朱印を戴こうとする人も少ないのか、結構のんびりと待つ。朱印を待つというひとときも、好きな時間のひとつ。急いでいなければではあるが、神社詣でをする時は、急ぎたくないものだ。
アニメ「かみちゅ!」では来福神社という劇中の神社の社殿モデルになった神社である。ちなみに境内モデルは「御袖天満宮」。
ところが、私は神社自体に完全に魅せられてしまい、それすらもささいな事になってしまった。
さいわいなことに、私が佇んでいた時間は映画ファンもアニメファンもやってこずに、それこそ静かな心地よい時間を過ごす。
さて、ロープウェイで山を登っても良いのだが、さきに御袖天満宮に行こうかと思う。
気がせってきたので、さきに行きたい神社に行くのだ。山に登るのはそのあとでよいだろう。
参考
各神社・由緒案内等
作中のキャプチャー写真は、尾道の気配を楽しんでいただくために使用致しました。
問題がありましたら、対応しますのでメールにてお問い合せ下さい。
なお版権を侵害する悪意ある意図では使用はしておりません。ご理解下さい。
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